A.1
法定養育費が創設され、養育費に先取特権が付与されました(子の監護に要する費用として相当な額に限る)が、その他に変更はありません。
法定養育費とは、当事者間で養育費についての協議が整っていなくても、同居親が別居親に対し、一定額の養育費の支払いを請求できるというものです。ただし、その金額は極めて低額になるといわれています。
先取特権とは、審判や調停、判決など(債務名義)がなくても、当時者の間で養育費について合意した文書がある場合、または法定養育費について差押が可能となる権利で、一般の債権者に優先して弁済を受けられる権利です。養育費の支払い約束が明示されていなければなりませんから、額や支払時期などきちんと約束して文書にしましょう。
養育費の不払いがあった際に、国がこれをいったん立替え、国が養育費の支払義務者に請求して回収するなどの制度は見送られました。
A.2
この問題は悩ましいですね。しかし、ひとり親の認定は、親権の有無ではなく監護の実態から判断されますから、主たる監護親をひとり親と認定し、その支援も受けられます。この点は、国会審議でも確認し、7月8日の府省庁間連絡会議でも子ども家庭庁が発言しています。
高等学校等就学支援金については親権者の収入に基づき受給資格の認定を行っているので、国会審議では合算するとの答弁がありましたが、上記の連絡会議では、文部科学省が支援を必要としている高校生等にしっかりと支援を届けられるよう配慮すべき事項を検討すると述べているので、注目して、監護親の皆さんの意見を発信していくことが必要だと思います。
監護の分掌を決めて監護時間が半分などの場合どうなるかは今のところわかりませんが、住民登録があって、学校の費用などを含む費用を一人の親が負担している場合には、支援が受けられるようになってほしいと思います。養育費などで調整することも十分可能だと思います。
A.3
それはあり得ると思います。しかし、子の監護に必要な費用としては、通常の食費や日用品だけでなく、校納金、通学費、学用品、被服費など、毎日支出するものではないものも色々あります。逆に、算定表に基づく養育費以上の支出があることが通常ですから、現実の支出を計算してそれを分担してもらうという方法も考えられます。免除というのは、監護親には支払わないが、上記のような費用を別途負担するというような場合ではないでしょうか。